熱中症について

 今年の梅雨は例年になく蒸し暑く、また急に暑くなったために体調を崩された方も多いと思います。
「ズキズキと頭が痛い」「顔が火照る」「吐き気がする」などの症状を訴えている貴方。ひょっとするとそれは熱中症かもしれません。
「エー、まだ真夏ちゃうで」「どこも行かんと家でジッとしとるがなあ」というブブゼラ、ではなくブーイングが聞こえてきそうです
(日本代表は残念でした。色々意見はあるのですがこれはまた別の機会に)。

そんな貴方に衝撃的なデータをふたつ。
(1) 熱中症の発症ピークは二つあり、一つはもちろん盛夏の8月上旬から中旬であるが、もう一つのピークは梅雨の中休みである7月上旬から中旬にある。
(2) 65歳以上の方が熱中症になる場所の6割近くは自宅を含む屋内である!
(ちなみに熱中症で亡くなる人のうち65歳以上が占める割合は約75%!)。
いかがですか?ドイツvsアルゼンチンの4―0も衝撃的でしたが、それに勝るとも劣らず衝撃的ではありませんか?
     
 どうしてこうなるのか少し考えてみましょう。
そもそも熱中症とは簡単に言うと「体に熱がこもる」ことが原因で起こります。そして我々は汗をかくことでその熱を外に出しているのです。
(これを「熱放散」といい、汗を出す以外に皮膚の温度を上昇させることも関係しています)。
しかし、梅雨の合間に突然気温が上がった日や、梅雨明けの蒸し暑い日など、まだ体が暑さに慣れていないと、うまく汗がかけないことなどにより体の熱を下げることができないのです。
数日すると体も暑さに慣れて(これを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます)、暑さに強くなってくるのですが、年齢とともにこの暑熱順化に時間がかかります。(のどの渇きも感じにくくなっています)。
また、熱中症には気温とともに湿度や気流(空気の流れ)も関係しており、うまく汗をかいても湿度が高くて汗が乾かなかったり、風が通らない室内では熱がこもったままになり熱中症に至ることになるのです。

というわけで、対策をまとめますと
1. 普段から運動をして汗の出やすい体にしておく。
2. 汗のもとである血液量を増やすために「のどが渇いた」と感じる前に、コップ1杯程度のお茶や水を積極的に摂り脱水状態にならないようにする。(「喉が渇いた」ときにはすでに脱水が始まっています)。長時間屋外にいる場合は、塩分を補うために梅干、塩昆布、おかきなどと一緒に水分をとったり、スポーツドリンクを飲む。
3. 室温計を置いて28度以下になるように積極的にエアコンを利用する。(我慢しないでください!)。
ただし余り下げすぎると外気との温度差のため却ってしんどくなります。 
   
細かいことはまだまだたくさんあるのですが、分からないことがあれば気軽にお聞きください。